岡山絶望空港(1)

私がかつて夜間のみのバイトをしていたことがある空港の仕事を次の選択肢の一つと考えたのは、割と早い時期だった。岡山の人間とはいえ、何のコネも無く歳だけ食っている私にそれほど仕事がある訳ではない。一度お世話になった所にもう一度というのはどうかと思ったが、背に腹はかえられなかった。

話はトントン拍子に行くと思われたが、心配になる程待たされたことは記しておこう。連中もしっかりと「使える」かどうかを吟味していたということ。面接こそ無かったものの、まさかのお断りもあるかと思われた。私に白羽の矢が立ったのは、休みや残業についての「お願い」を全て受け入れたからだった。他にも応募者がいたが、休みや残業に同意できない場合は切ったようだった。残ったのが私だったということだ。

仕事は、ある程度わかっているので残るは昼間の仕事に耐えられるかどうかということ、人間関係は大丈夫かということだけだった。終わってみて思うのは、人間関係こそ素敵な先輩に出会えて良かったのだが、仕事そのものは、やはり合わなかったということなのだろう。

つづく

縁

先輩も24、5の頃自分は本当に結婚できるのか、真剣に悩んだという。しかし、万事上手くいき孫もいる。仕事も順調だ。

私もここで今の仕事を辞める。そうすると面白いことに、何に興味ある？とか聞かれてこんな事をしている人がいるからとか話しかけられたりした。話だけでも聞かせてもらいたいと思い連絡先を渡しておいた。こちらの方が本命になったりすることがあるのかもしれない。

20年前も私は不思議な縁で東京に渡った。メール一本で仕事を探し、会社を作るまでになれたのであった。今は休眠状態とはいえ、従来の私にはできないことだった。今度も何か起きないか期待している。怠けるつもりはない。やれる事は何でもやるつもりだ。

坦々とした日々

いつしか「先輩」と呼ぶようになっていた10歳上の先輩が出来た。私には珍しいことだ。先輩を先輩として見ないからだ。しかし、先輩は最初から真っすぐな話をしてくれる人であった。だが、その先輩ともあとわずかでお別れとなった。先輩は冗談なのか本気なのか「あんたはワシを置いて行くんじゃのう。」と言うようになった。私もせっかく何でも話せる友人が出来たようで嬉しかった。それ故に私も別れはつらい。

急なように見えて急ではなかった。年末には既に転職しないと食って行けないことはわかっていた。ただ、そう簡単ではないことは毎度の通り。ほんの数ヶ月だったが、それでも長いと感じる。前にやったことがある仕事とはいえ、安易だったかもしれない。前の仕事を急に辞める羽目になったので急遽、今の仕事の可能性を考えてみるようになった。あっさりと受け入れられたわけではないのだが、いろんな条件を呑むことで私に白羽の矢が立っただけのこと。

私は先輩との日々を坦々と過ごしつつ、次の仕事にも不安を感じて生きている。私の本職ではないからだ。先輩とはいろんな話をしたが、とりわけ企業の中で数十年も生きて来た経験は大きかった。先輩と30年早く出会っていたら、私も入っては辞めの繰り返しは、もう少し少なかっただろうに。

私が二ヶ月くらい経ってから過労と風邪でダウンした時だった。何とか休みを三日で切り上げて出て行った朝「回復したかな？」と爽やかに声をかけてもらったのは救われた。私もしんどくて、これまでかとさえ思ったりしたからだ。あれからも数ヶ月経った。最初の頃を思い出す。先輩はぶっきら棒な所もあるが、人を見て丁寧に話すこともできる人だった。下のお話も大好きでよく盛り上がった。性癖も似ていて、女の全てに興味があるようだった。

もはや、隠し事は何も無い。私も生まれて今日までの事はほとんどしゃべったと思う。仕事のことも先輩は「チャンスをつかんで切り開いていくべきもの」という考えだった。私の仕事が万一成功したら呼ぼうかと言っても、自分は行動するタイプなのでコンピュータを使ってやるようなことはゴメンだと言っていた。前の仕事場で親しくなった人もそうだった。一緒にやろうと言ってくれる人は、そう多くはない。現実には、私が復活したわけではないので、やろうと言ってくれても何もできないのだが。

不安というのは、次の仕事場で先輩のような人に出会えるかということだった。日雇いにはありがちの自民党のアホ先生大好きおじさんだとどうがんばっても付き合いは難しいだろう。原発は推進するわ、TPPも推進するわ、放射能も問題無いという人間とは無理だからだ。

最大の不安は、雇われの身だということかもしれない。そして、その状態だと私の能力は活かされないということ。どこまで行っても仕事は仮であり、コンピュータで扱えるデータを作ってナンボということだ。しかし、一方で時間は無い。東京で被曝した私に残された時間はそんなには長く用意されていないように思う。

私のことを心配しているわけではなくて、私を頼ってくれている人々も少数ながらいるので何とか力になりたいだけのこと。まずは私が切り開いてみたいと思う。

明るく素直に温かく！

反省

毎年、正月にはブログを書いていたように思うが、今年だけはその余裕すらなかった。ずっと日雇いだったからだ。たまたま今日は休みだったが、ちゃんとスケジュールが入っていて身動きとれなかった。しかし、それでも最初くらいは書くべきだったと反省している。

ただ、書くものがないのも事実だ。新しい仕事が取れたわけでもない。会社が復活できそうでもない。まるで目処が立っていないわけだ。さすがに日雇いの日々では余裕も無い。転職も、もちろん考えているのだが、年末に書いたように簡単な話ではない。

恩師や京都の友人、パートナーにも年賀状すら出せていない。これも余裕が無かった。早出続きなので夜がゆっくりできないわけだ。いろいろと考えていると夜はあっという間だ。実際には正月どころではないというのが事実だ。社会に目を向けるとそういうことになる。放射能、基地問題、TPPとかだ。私にどうこうできるお話ではないことは確かだが、無関心でいられるわけもない。

私は欲が無いと言われ自分もそうだと思っていた。しかし、現実には買うものがあるだけに、これを買うためにこういう儲けをしようという計画は立てなければいけないようだ。今だと、マシンや防寒服、靴あたりだろうか。北海道や沖縄に行く資金も欲しい。そのためにはどうしたらいいのかlという発想を持たなければならないのだ。今年は、そこをちゃんとしたい。

デジタルの仕事は出たとこ勝負だが、なかなか出番が無いことも事実だ。いつ来てもいいようには予熱しておきたいと思っている。プログラムが面白いという状態を保てればいいと思っている。ほんの数日前、そんな気分になった。すぐに気持ちはどこかへ行くので実践が必要だ。

今日は懐かしい人に再開した。面白いもので、数日一緒に仕事をしただけなのに、いつか一緒に仕事をしたいと思ったのだった。偶然と言えば偶然なのだが、私が座ってiPadを広げようかとしたまさにその時、「お久しぶりです！」と彼は声をかけて来たのだった。

一瞬、わからなかったが去年の3月ごろに共に仕事をした仲だった。初対面なのにウマが合うというか、普通に話ができる人だった。親友との出会いのようだった。かつてコンピュータを使っていたと言うので、いつか私の会社が復活したら一緒にやりたいと話をしたものだった。会うべくして再会したのだったら、私が自分の足で歩み始めた時にまた再会するだろうと思えた。

これからは時間との勝負だ。本当の人と出会い、仕事をして行きたいと感じる。

寒さにビビる

連日、寒さに負けそうになっている。何かいいジャケットはないものかと漁る日々だが、お金があるわけでもない。しかし、今のところこれといったものも無いのが事実だ。防水で温かくそこそこの値段で買えるもの。ミリタリー物に憧れるが、ごつ過ぎて使えないように思える。一度ダウンもした。今回は少し軽くて三日寝るくらいでまずまず回復した。温度差が激しい場所なので、これに対処する物が欲しいわけだ。仕事場からも貸してもらったが満足できるものではないのだ。急な雨や風に対処しなければならないわけだ。

年末は、もう、ろくな仕事は無いような気がする。応募しても返事も来ないというものもあった。さすがに厳しいと感じている。だが、挨拶がてら出版社にももう一度アピールしてみたい。今でも中国語辞書を作りたいという気持ちは変わらない。まんまでもいいが、歴史や文化も入れた読める辞書を目指している。後で追加することも可能なのだから。

そこまでは行かなくとも、まずは収入を安定させたい。そうしないと日々の生活も滞りがちだ。マシンも買う目処が立たない。そのくせ、少し安いタブレットを買おうと画策してみたり。しかし、今は趣味よりもマシンを買ってプログラムの整理とか検索システムの研究などが必要な時だ。もしかすると近いうちに手を出すかもしれない。買うとすればプログラミング適したやつだ。