野望

今月、お袋が出て来るまでに買い物を済ませて何食わぬ顔で通そうと思っていたのだが、計画が狂ってしまった。荷物の発送が予想外に遅れて今日になってしまった。お袋は既に来ている。白状すると、「ほんなら、返品するかな？」と皮肉を言っていた。私も買い過ぎだと思ったが、さみしい気持ちを何かで癒したかったというのは本音としてある。遥か昔の少年時代のように、何かこうワクワクするような年末年始でありたかったわけだ。

もちろん、そんな冒険をおかさずに、おとなしく過ごすという選択もあり得たのだが、狭い了見の私としては安全をとったのだ。安全というのは、そんな大人びた行動をとろうとしても私という人間はすぐにボロが出ると思ったわけだ。すぐに不機嫌になり、正月早々、社員に迷惑をかけても縁起が悪いとさえ思ったのだった。都合の良い思いやりだが、その方がいいと思った。