マイケル

私がマイケルと書けば、アナサジフルートのマイケルだが、最近ではマイケル・ジャクソンであることもある。金曜日にVisionが届いた。私のような門外漢が買うくらいだから、相当に売れているのだろうか。

去年の春頃だったと思うが、西寺郷太という人の語り口がおもしろくマイケル・ジャクソンに興味を持ち始めた。彼は本当にマイケルが好きらしく、多くを知っていた。少年への性的虐待とか貧乏しているとかは全部ウソだという。性的虐待については２度に渡ってFBIが意地悪な捜査をしたが、犯罪の事実は出なかった。訴えた側が金目当てでやったことだろうということだ。お金についてはビートルズの版権を持っていたりして、そこそこ持っているとのこと。色が白くなっていたのは病気だったということも。

そうなると私などは、マスコミに切り取られた悪質なニュースでしか彼を見ていなかったということになる。実は、その贖罪の意味もあってこのDVDを購入したのだ。字幕も入れることができるし、マイケルのスリラーを初めて見る人には十分なものだ。マイケルがいろんなメッセージを盛り込むような歌手だとは知らなかった。マイケルが去年、急死してからは私の興味も消えてしまっていたが、ここに来てわかりやすいものが出始めてとうとう買ったということでもある。

場合によっては、去年から私はマイケルファンになっていたかもしれないのだった。１枚のDVDを見ただけだが、十分におもしろいものだった。要するに表現したいものがあって、それを表現している人なのだ、マイケルも。CDのオマケに映像を作っていたのではなく、映像での表現を目指していたのがマイケルだったのだろう。今のようにテレビがさっぱりおもしろくない時代、こういう楽しめるDVDがうれしい。

京都時代から感じていたが、音楽ソフトに使うお金は無駄にはならない。すぐに飽きたとしても、またいつか見たり聴いたりしたくなるものが。ハイビジョンテレビとかコンポとかポータブルなプレーヤーがあったりして聴いたり、見たりする環境には困らない。見て思うのは、惜しい人を亡くしたということか。『This is it』も買う予定だが、もうマイケルの新作は見られない。昔からのファンは、本当に衝撃が大きかったろう。