異次元

私はなぜ女としっくりこないのか、ハッキリ言えばなぜ結婚できないのか考えてみた。答えは、「異次元」とも言えるくらいの隔たりがあるからではないか。それほど私と私が今まで出会ってきた女の感性は異なる。そこがいいとして懇ろになることもあるのだろうが、私に関していえば、そんなことはまったくなかった。私の「鈍感」ぶりもあるのだろう。

私が感じる違和感の第一は、ドラマや映画での「暴力」だろう。私には、本物ではないという頭があるのでどんなに暴力的なものでもほとんど何も感じない。「よくできている」とか「ちょっと汚いな」とかの感想はあるが、「恐い」など思いもしないことだ。これは、漫画とか絵でも同じ事だ。作り物は作り物だ、それ以上の力は無いというのが私の感じ方だ。もちろん、本物の暴力であれば私は腰を抜かすだろう。誰よりも恐いと思うのだ。

第二は、雰囲気だ。私が過去に好きだった女性と映画に行った際、ポルノも上映される汚らしい映画館に行ったことを話すと、「バカなことを！」とよく言われる。しかも、上映されていたのは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」という見方によれば、やくざモノの映画だ。バカの上塗りだろうか。私としては、いい映画なので、場所などどうでもいいではないかという「考え」なのだ。天井には、雨漏りでシミができたり、一部はがれたりした所があった。

第三に「人とのつながり」だ。私は、もともと一人でいるのが好きなので仕事であろうが、休みであろうが、人と会うのはごめんというタイプだ。故郷にいた頃も会うとしても親友一人だけだ。恋人がいたとしても、外で食事など疲れてしまい、とても楽しめないと感じる。仕事では、極力一人であり、仕方なく打ち合わせの時だけは、仕事場に出るというのが好きだ。お付き合いで飲みに行ったりするのは、もっとも苦手なことだ。

以上のような、異次元とも表現できるような溝があるため私と女の距離は縮まることはないのだと思う。私の器量が小さいため、そこまでわかっていても女に合わせることができないのだ。私は合わせているつもりでも女から見れば、信じられないものがあるだろう。私は、自分で思う以上に他人に合わせることはできないらしい。これは、私の人格にも影響する部分なので、変えようとして変えられるものではないのだ。つまり、女は、諦めるほか無いということ。