叱責

移動の疲れもあって、夕べは１１時頃には睡魔に襲われた。寝る態勢に入ったところでけたたましい携帯の呼び出し音が鳴った。懐かしい、京都の知り合いからだった。もっとも、知り合いといっても、よそよそしい感じの相手ではなく、私が苦しい時にお世話になった人だ。

「あんた、ちゃんと貯金してるか？」に始まるマシンガンのようなトークに圧倒されてしまい、今月から節約することを約束させられてしまった。「あんたも働けるんは、この１０年や、その後は誰が面倒見てくれる？もっと現実的にならんとあかん。笑い事やないで！」と私の痛い所に執拗な攻撃が及んだ。私は、反論する術もなく「ふん、ふん」と答えるのみだった。

私の母は、いつも同じようなことを言ってくれているのだが、身近すぎて私に響いていなかったのかもしれない。私は、自分がやる気を無くすことがあるとしたら、それが「終わり」と思っているのでとにかくやる気を出すための投資には甘かった。それで成功して来ただけに絶対の自信もあったのだ。５０間近にして部屋は「ゴミ屋敷」だ。そろそろ、考え時であることは私も感じていた。それが、この知り合いからの突然の電話で目が覚めたということだろう。

お金の使い方、貯金、仕事のバランスをいかにとるのかというのが今年の課題となると思う。こんなことは、イロハなのだが、愚かな私には言われなければ気がつかないことだったのだ。幸い、勉強しようという気力も充実している。後は、どれだけ自信を持って仕事を仕事として仕上げられるかどうかだ。今の私には少なくとも精神的な弱みは無いと感じている。不安なことはそれなりに勉強してきたからだ。仕事仲間や、近しい人の手当てが自分と同じようにできればいいと思っている。

結婚とか子育てが今の私にできるのかどうかわからないのだが、それは、誰しもそうなのかもしれない。ほとんどの人にとって初めての経験だろうからだ。二度目、三度目という人もいるだろうが、そう多くはない。あまり悲観的にならないように生きていきたいと思う。自分のやる気とか出会いとか生き方によって決まるものだと思う。私のように押しが弱くて頼りない男には、なかなか女も魅力を感じないだろうことはなんとなくわかる。しかし、だからといって私が女になることも、別人格になることもできないのだ。私は、私でしかない。悔いのない日々にしたいと思うだけだ。

おやじの死の年齢まであと１１年だ。病気をしなければ、これを超えられる気がするが、こればっかりは予測は不可能だ。私のことだから書いたしりから忘れてしまいそうだが、大切に一日、一日を生きていきたい。お金を使わないように感動する日々にしてみたい。