懐かしい友人

今日は、かねてから約束していた懐かしい友人と会った。聞けば、この春まで東京にいたらしい。今は、岡山で開発し納品は東京という生活らしい。Ｆ通と関係する仕事らしい。岡山も仕事があれば、なかなかの場所なのでうらやましいと思った。私も成功して岡山で仕事ができるようになったとして、パートナーやいとこはついてきてくれるだろうか。東京の感覚では生きていけない街だけに相当な覚悟が必要かもしれない。もっとも、現状ではそんな可能性は無いのが痛いのだが。

私が岡山で失職し、職探しをしていた頃、出会ったのが今日話をした人だ。ソフトウエア開発会社に私はバイトで潜り込み、同じような立場の人と知り合った。彼は、その社員を派遣していた会社の社長だった。もうその時点で長く開発に携わっていたのだと思うが、そのつてで一度プログラム開発を手伝ったことがあるのだ。彼もその後、経営的に苦しくなり私とほとんど時を同じくして東京に出稼ぎに行くことになったのだ。

彼は非常に慎重な人間で、とうとう今日の時点でもどこの会社の仕事をやっているのか言わない始末だ。自分では完璧なセキュリティを守ったと思っているかもしれないが、私にはそこが不信感として映っている。私も彼がそこを言わないだろうと思うのであえて聞かずにいる。私の信じる人間関係ではないと思うので、どうしてもバリアーを張った人間関係にならざるを得ない。

この４年間、会えなかったのだが、私も大変な目にあったことなどを話した。彼に相談していたら、私は薬漬けにされずに済んだのかもしれない。岡山にもっと帰るべきだということを私に説いたのも彼だった。私は、頑なで偏った意見を持つ人間なのだが、人の意見は聞くようにしている。取り入れるかどうかは別なのだが、じっくり自分でゼロから考える材料として貴重なものだと考えている。

私としては、また仕事を回してくれないかという依頼だったらどうしようかと思いつつ出かけたのだが、そうではなくてホッとした。仕事が無いわけではないのだが、無給ではお話にならないからだ。私も来年は、いろんな意味でがんばらなければならない年だ。要するに私たちの仕事の価値を高め、より高く買ってもらうよう交渉することが最も重大な仕事だ。

最後は、お決まりで笛の話をしたのだが、彼のストレス発散も参考になった。聞けば、そうたいしたことはやっていない。運動といってもたまにゴルフの打ちっ放しに行くくらいだそうだ。趣味といっても映画を見に行く程度だという。カメラとか笛を吹くとかの趣味は無いそうだ。しかし、これまでのつきあいの中で感じたことは、天然だということだ。お金を使うことに慎重で、決して危険な行動はとらない。私のように医者にすすめられるがままに薬を飲んだりすることは無いそうだ。

結局、原始人のごとく、石橋を叩いて渡る用心深さが彼の基本となっている。家族を持ち、会社を経営し、適度に発散し、それなりに楽しい人生のようだ。私にはいまいち物足りないのだが、参考になる意見を言ってくれる人として共感はできる人だ。また、メールを送ることを約束して分かれた。２時間があっという間に感じられた。