季節

きのうも感じたのだが、外を歩いていると「秋の香り」がする。私は年中同じ格好なのだが、歩く人を見ても秋を感じる。そう、仕事場とアパートの往復という毎日なので、なかなか季節を感じることがないのだ。去年までは調子が悪かったので、９月、１０月、１１月が非常に長く感じたが、今年はあっという間だ。仕事で、はまったこともあったので時間のロスもあった。季節を感じられる余裕が今年はあるわけだ。

カメラは、こういう時に威力を発揮する。ただ、ボヤッと歩くだけでは意欲がわかないが、カメラを持ってその気で出ると歩きにも力が入る。適度にちんたら歩くので体にもいい。写真を撮るわけなので帰ってからも楽しめる。外に出る元気が出ない時は、笛がかなり有効だが、外に出るとカメラが俄然、脚光を浴びることになる。私が、笛にカメラに金をかける意味がここにあるわけだ。

平日に道行く人は、リタイアした人がほとんどだ。この人たちは、一日をどんなふうに生きているのか、ものすごく興味がある。私ならば、耐えられないからだ。楽で自由な生活を渇望する私なのだが、それは、第一線で働いているということが前提なのだ。普通に買い物をしてテレビを見て、夜が来たら寝てという生活に違いはないのだと思うが、それで退屈ではないのだろうか。

かつては、ボンヤリ屋で通していた私がこんな発想をするのは、まことに皮肉なことだ。私もコンピュータに関連する仕事についていなければ、もっとつまらない人生だったかもしれないが、仕事探しの過程でたどり着いたのがコンピュータの世界だった。複雑で変化の激しい職種なので積極的に首をつっこむ人が少なかったのではなかったか。私にしても困難な仕事に変わりはないのだが、しつこい性格というのが役立った。挫折しても挫折しても立ち上がるという生き方は、浪人の経験が役立った。

ボーとしているともうすぐに１２月であり、１２月を迎えるとあっという間に来年だ。これは、本当におもしろいことだが、毎年のように同じ事を繰り返している。余裕を持って年末年始ということは、まず無いのだ。年末に向けてシンドイ仕事もどんどん入ってくる。今は、それが楽しいという気持ちの方が強い。