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夕べ、ZARDこと坂井泉水の追悼番組を見た。私が録画した記憶のある「負けないで」を歌うシーンがほぼフルバージョンで放送されていた。こういうことが無ければ見ることはできなかったはずのレコーディング風景など、彼女の肉声が入ったものが珍しく、思わず見入ってしまった。

彼女自身は、私が思っていたように、したたかで計算ずくの人間ではなかったのかもしれないが、モデル時代の自分の過去を隠そうとしたりすることは、結局、マイナスであったのでは、という思いは今でも変わっていない。「バレたらしゃーない」と言わんばかりにヌードを含む露出作戦をやるなどしてみたら良かったのにと思う。だが、この国の所属事務所の作戦は、隠すのだ。彼女の見た目の華やかさは、活動の原点だった。モデル時代のセミヌードは、誇ることがあっても恥じることなどない事だ。今見てもセクシーであることに変わりはない。そこが認められて、のし上がったのに、それを否定するかのような行動は、いくら言い訳しても正当化はできないのだ。過去の積み重ねがあって、今があることを忘れてはいけない。

1990年代の初め、彼女が出て来た時、私はそのよく通る高い声に注目した。CDのジャケットは、誰か別人を使っているのかと思い、買うまでしばらく時間がかかったことを覚えている。彼女の存在がうれしかったのは、1970年代であるかのような錯覚をもたらせてくれたことだった。1990年代初頭と言えば、まだ、仕事はあったものの、仕事は減り、いつリストラという名目でクビになるかわからないという状況だった。私のように「高齢」で、たいした知識も無いプログラマーは、その危険性がもっとも高かったのだった。毎日、厳しい試練の連続であったことを記憶している。ほんの数年前に、プログラマーが足らない、と言われて迎えられたばかりなのに!

しかし、坂井泉水の詩は愛だ恋だのという当時の私には浮世離れしたと感じるお話ばかりで、日頃の仕事上での喧騒を忘れさせてくれる効果があった。1970年代のように誰もが、がんばれば何とかなるかもしれないという気持ちを起こさせてくれたのだった。私が物足りないと思ったのは、ZARDとしてもコンサートをやらなかったということだろう。テレビに出ることも珍しかったようだが、「歌うたい」としてライブやコンサートでファンの前で歌うという経験を積まないことは致命的であるように思えた。

彼女は、作曲をやらないのだが、作詞・作曲もある。それを聴いた限りでは、作曲の才能は無いのでは、と思えるしろものだった。しかし、誰でも最初はそんなもので、これをしつこく続けて行く中で、ものになって行くものだと思う。が、彼女はそうはしなかったようだ。ファンの前に出ないということが、作曲までしてみたいという「意欲」を生まなかったのではないかと私は思っている。歌の原点は「おれが、おれが」というように前に出て行く気持ちではないかと思う。これをやらないということは、結局、詩を書いて満足ということになるのではないか。実際、追悼番組では、詩の世界にこだわる彼女のエピソードが語られていた。スタジオでは、カーテンを引いて録音に望んだそうだ。

それにしても惜しまれるのは、若くしてガンにかかり、亡くなったことだ。死因は、事故だということだが、真相は不明だ。私は、肺への転移という現実を突きつけられ、将来を悲観しての自殺と見ているが。「自殺」として処理したくないのは、あくまでも事務所の都合だ。現在のCDの売り方を思う時、それは当たっているような気がする。これからも稼ぐためには、不慮の事故死でなければならないのだ。セミヌードを隠したこと、ライブ、コンサートをほとんどやらなかったこと、これらが彼女の意志ではなかったなら今度の死因の件も彼女には不本意なことだったろう。

仕事という人間にとって大きな部分を占める問題で若くして成功して順風満帆だった坂井泉水。その一方で、自身の体はガンに侵され、手術までしたのに転移してしまった。これは、十分に失望の原因になり得る。食事や生活面で、よほどの無理があったのではないかということが想像できる。仕事での成功と家庭における幸福は、なかなか両立は難しいようだ。

私は、仕事でもまだ成功したとは言い難いのだが、年齢的なことを考えると、せめて仕事で小成功をおさめ、私の後を継ぐ者が現れるよう努力したいと思っている。子育てもしてみたいのだが、残念ながら、「一人」ではできないことなのだ。歌手はしょせん偶像に過ぎないのだから、期待しても無駄とは思うのだが、我が永井龍雲の軌跡を思う時、一緒に成長できる関係でありたいと思う。坂井泉水の場合、1990年代の後半には忘れていたのだが、それは、私の心から離れて行ったと感じられたからだ。くじ引きをしないとコンサートに行けないという歌手は、どうでもいいと思ったことは確かだった。
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