薬漬け

ＳＳＲＩについての情報を求めている。この国に流れている情報は、ウソか間違っていることが多すぎる。肝心な、「ＳＳＲＩは使ってはいけない」という情報が少なすぎる。抗不安薬、睡眠薬を合わせると数千億の市場を形成しつつあるようで、そのために圧力がかけられているのだろうか。

現在、ＳＳＲＩの主流はジェイゾロフトに移っているらしい。パキシルが大人でも自殺願望を引き起こすことが明らかになり、訴訟を恐れてのことなのだろうか知り合いの行く病院でも急遽、ジェイゾロフトに変更されたという。「ジェイ」とは、ジャパンのことだという。ゾロフトに近い商品名があるので日本の「Ｊ」をつけたそうだ。ゾロフトであることに変わりはない。

オーストラリアでは複数種類のＳＳＲＩを処方しても「効果的との証明は無い」し、「害作用や致死性の危険が大きくなる」と強く戒めているにもかかわらず、この国では、薬学の知識の無い医者に「適当に組み合わせて」使われている。オーストラリアでは、このようなＳＳＲＩを使うにあたっての安全マニュアルがあるのになぜこの国では使われないのか。

精神科医、心療内科医、内科医、婦人科医によって安易に処方されることの多い抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬の薬害が広がっている。意外にも専門家と思われた精神科医によるＳＳＲＩ濫用の被害が拡大しているように感じる。つまり、まさか医者が間違ったことをすると思わなかった、という油断だ。専門家による「薬漬け医療」がどんどん増加しているわけだ。

その原理は、精神科医が専門のくせに処方だけをして、状況に応じて減薬とか断薬を指導できないことによる。薬の処方では稼げるが、薬を出さないということでは儲けることができないという事情も当然あるだろう。現実に、技術的に難しいということもある。そして、「うつ」の再燃防止とかいう言葉を作って、治ったと思ってもさらに１年程度は薬を飲み続けた方がいいなどという「理論」が一般の家庭医学書などでも書かれている。それでどうもないというならば問題は無いのだが、薬の効き目は個人差が激しく耐性を持つ人には激しい副作用が出る。医者も個人差を吸収できるほど余裕が無く、診察時の状況だけで薬を増やしたり減らしたりで商売しているようだ。この結果、真に受けた人が薬漬けにされ日々を鬱々とした中で暮らすことになる。薬を減らしてしまうと離脱症状が発現し、かえって「管理」が難しくなるからではないかと勘ぐりたくなるくらいだ。

うつが治ったかどうかというのは、結局のところ自分にしかわからないのではないか。それを、いつも一緒にいる訳ではない診察医が判断してしまうところに間違いがある。さらに、うつを治す必要があるのかどうかという根本的な問いも出てくる。なぜなら、うつ状態になることはそれまでの生き方を変えなければならないという生体のサインであり、放置するとさらに危険な領域に入るということになるからだ。ＳＳＲＩなどという余計なパラメーターを入れることで病気が作られることになった。損するのは、いつも「患者」だ。

２１世紀は、いろんなことが起こるだろう。薬ができたから「病気を作ろう」ということもありうる。タミフルもそうだと言える、いい例だが、ＳＳＲＩは、２１世紀初頭の大規模な薬害問題に発展すると思う。効果があるかどうかも怪しいＳＳＲＩだが、脳内のセロトニンが減るからうつになるという「理論」も証明できていない。これからは、自己責任で生きていくようにしなければ生き延びることは不可能だ。身近な、風邪薬でも安易に飲まないような用心深さが必要だ。手術が必要とか、がんとか、精神科とか「よくわからない」感じの医療は、おまかせになりがちだが今の薬害ＳＳＲＩ問題は、それでは生をまっとうできないことを示している。薬を飲む前に調べることだ。少なくともいろんな情報を見られるインターネットくらいはチェックしておくべきだ。

（つづく）